2015.04.11
2015年の冬期アニメのうち見ていたものの5段階評価と感想。
・神様はじめました◎ - ★★★☆☆
1期通り、ヤマというヤマもなくオチというオチもなくな印象。それ故に安心して見ていられる。
七々生を取り巻くキャラクターそれぞれにスポットが当たっていながらちゃんと巴衛との話が進んでいく過程は小気味よかった。OPの映像が好き。
・暁のヨナ - ★★★★☆
近年だと「夏目友人帳」「それでも世界は美しい」に並ぶ魅力的な花とゆめ作品。
時代劇戦記といえばいいのだろうか。宮廷で寵愛を受けていたお姫様が幼馴染の手により父王を殺され、転落し、そこから這い上がるストーリー。
ヨナ姫を取り巻くキャラクターも魅力的かつ、ヨナ姫の成長がなんら滞りを見せることなく進んでいくのでどんどん惹きこまれる作品だった。特にヨナ姫がヤン・クムジを手にかけるシーンは色々な感情、感想が渦巻いてしまった。
アニメで描いた部分は四龍すべてを仲間に引き入れて一幕と少し物足りなかったので、是非とも2期もやってほしい。
テンポの良さと少しハズし気味にも思えるギャグがいいスパイスだった。
・美男高校地球防衛部LOVE! - ★★★★☆
最初から最後までバカバカしくて面白かった。くだらない!それがいい!といった作品。
スマートフォン用乙女ゲームのメディアミックスでサービス開始とアニメ開始が同時だったのだけど、これがなかなかどうして設定の枠をはみ出すことなく自由に描いていて面白かった。
特にキャラクターがくどくない絶妙な濃さで眺めているだけで飽きなかった。これだから女性向けはやめられない。
ウォンバットきゅんが超キュート。モフモフしたいでアリマッチョ。
・ガンダムビルドファイターズトライ - ★★★★☆
前作の7年後が舞台ということもあり、ほとんど一新されたガンダムビルドファイターズ。前作のキャラもほぼ出てこなかった(ラルさん、チナちゃん、メイジンだけ。ニルスはゲスト、セイは出ても顔は出さず)こともあり、少しやきもきしたのはあるが、これはこれで制作の意図を感じる演出でもあった。
今作のガンプラバトルは、前作の1on1やバトルロワイヤル形式と違って、3on3が主体ということで戦術に幅があって大変良かったと思う。戦術バランスを近・遠・サポートに振ってみたり、合体してみたり、個人の能力のみで集めてみたりで、各チームがそれぞれ特色を出していたのが印象的。
しかもそれでいてワン・フォー・オールが正しいだとかスタンドプレーだけではチームプレイには勝てないみたいな説教臭いことがなかったのが良かった。どのチームもいいチームなんだよなあ。
ストーリーに関しては単純明快なロボット熱血バトルモノなので割愛するが、個人的にはもう少しドラマ性があってもよかったかな、と思った。もっとも前作が、ガンプラバトルを盾に暗躍する悪い大人たちと翻弄されるメイジンやアイラ、立ち向かうセイとレイジのコンビだったので、トライも同じわけにもいかないのはわかるのだけど…個人的にはフミナ・ギャン子・シアとセカイのラブコメがもうちょっと見たかったな。ただ最終回はやりたい放題でめちゃくちゃ笑いました。
トライは全国編で終わってしまったので世界大会編も見てみたいな。
なんなんだこれは。
美男高校やモバマスがキャラ設定の正解のパターンならこちらは失敗のパターン。
元々がご存知大ヒットソーシャルゲームで、ゲーム本編のキャラクターの性格や設定にそこまで厚みがないので仕方ないといえば仕方ないのだが、とにかくユーザー側の創作を盛り込みすぎてしまいストーリーに歪みが生じていた。
話題になった、4話における如月轟沈も、個人的にはドラマを煽る展開としての期待はあったのだけど、5話以降ほぼ一切触れられることなくオトボケ日常回が続くという謎の脚本。その後、夕立の改二改修を皮切りに突如として作品を覆うシリアスムード。急に出てくる「艦娘の前世は実在した艦である」ことを仄めかした赤城のセリフ…
どうも史実をなぞった展開だったらしいのだけど、何もかもが中途半端で、結局ドタバタを描きたいのか戦闘を描きたいのか…何を伝えたいのか以前に何がしたいのかわからない作品だった。抜錨や戦闘のシーンは良かったです。
2期があるみたいだけどウーン。
・寄生獣 セイの格率 - ★★★★★
制作発表からキャストの舞台挨拶コメントまでずっと嫌な予感しかなかったが…
放送後の私「なにコレ!めちゃくちゃ面白え!!」
本当にとても面白かったです。久々に「MAD HOUSEだ!」といった出来。
何よりミギー役の平野綾さんの演技が凄まじい。舞台挨拶のときに本当に原作が好きなのは伝わっていたのだけど、あそこまでミギーの心境の変化を表現していたのには素晴らしいの一言。
散々言われていたキャラクターデザインもいざ始まってみると、原作ではさほど変化を見せなかった新一の外見を、うまく「アニメーションとしての寄生獣」に合わせて表現していたと思う。母の仇を討ったあとは原作通りのデザインに変わったところも秀逸で思わず膝を打つほど。時代背景も実際、今さら90年代が舞台というのも…といった部分もあり結果的に上手かったなと思う。
劇伴も現代的でありながら「場面の状況を表現する」という点で非常に良かった。
まさしくダメな点が見当たらない作品でした。花マル。
・SHIROBAKO - ★★★★★
本音を言えば、1クール目はこの作品は好きではなかった。でも面白かった。2クール目は本当に好きになった。めちゃくちゃ面白かった。
他のP.A.WORKS作品にも共通するのだけど、とにかく人間の描写が上手い。
作品によっては、良い悪いも含めて、多大な影響を与える要素なのだけど、これはとにかく宮森あおいという一人の女の子に全人類が応援を捧げる、といった魅力があって、それに加えて全員キャラクターにメリハリがあると感じました。
アニメ業界の描写も、誇張しすぎず控えめでない上手い見せ方で、制作の意思と意図が伝わる作品だと思います。
アニメ業界を抜きにしても上質な人間ドラマなのでアニメが好きでなくても是非。
・東京喰種 ト―キョ―グ―ル √A - ★★★☆☆
原作とは少し違うifの話…と見せかけて単純に尺を調整するためだけの設定変更。1期と同じく「わかっていない」と言いたくなるようなシーン構成…ファンとしてはやはり納得いかない部分も多々あったけど、でも最終決戦のオリジナル展開はすごく面白かった。
ただ、最終回はやっぱり原作を読んでこそ解釈に至る…といった感想は否めなかったな。原作ファンの自分としてはとても満足のいく出来だったのだけど、そうでない人は謎のオチだったように思える。
雛実が回を違えるたびにファッションが変わっていたことだけでも★1つ追加。
・冴えない彼女の育てかた - ★★★★☆
第0話(実質の第1話)でいきなり温泉回をやって視聴者を引き込み、それから主人公とヒロインたちの出会いを描くのにはやられた。そんなの見てしまうに決まっている。
4人(5人?)いるヒロインたちだけど、本質的なヒロインは加藤恵なのかな。
加藤恵の「影の薄いヒロイン」というのはなんとも斬新で、そのために、口元をあえて隠す・視界の中心にヒロインを置かない・わざと遮蔽物で隠す、といった完全にヒロイン扱いしていない描写がとても上手いなと思いました。
しかも、加藤恵以外のヒロインはキャラクターも濃く画面で魅せなくとも勝手に際立つので、それ故に加藤恵が引き立つなあと思いきや、加藤恵もヒロイン度が上がっていくとともに精彩が際立ってきて、しかも周りの登場人物がキャラクター性を損なうことなく全員浮き彫りになっていくのに驚きました。これはすごい。
ストーリーも、全員が倫也とともに自身の抱える問題と向き合って、サークル活動に与していくというかたちで面白かったです。原作ファンによると今回のアニメはまだ序章に過ぎないみたいなので続きも見てみたいな。
ED好きなんですけど、やっぱり「沢井美空さんが普通の歌うたってる!」という感想でした。好きなんですけどね。
・幸腹グラフィティ - ★★★☆☆
料理・グルメ漫画をシャフトがアニメ化するというのは自分自身とても不安でたまらなく、実際「どうせ料理は実写にするんだろ」といった憶測も流れていたのだけど、蓋を開けてみれば一切そんなことはなく、本当に美味しそうな作画の料理が画面を占めるという、まさに飯テロアニメ。腹が減る。
しかもいざ食事のシーンになると、キャラがみんな美味しそうに食べるのが小気味よい。料理アニメというよりも食事アニメかな。島袋光年先生のトリコもそうなのだけど、こういったテーマだと、料理が美味しそうよりも食事シーンが美味しそうな作品の方が魅力的に映るなと感じた。
予告がすごくかわいかったです。
・銃皇無尽のファフニール - ★☆☆☆☆
毎回「もういいかな」と思わせておきつつ、なぜか引きは上手かったのでついつい見てしまったけど必要性は皆無。話も設定もチープで画面を見なくても話がわかるアニメだった。
OPが神田沙也加のバンドだったんだけど、なんであの人は最近になって急にアニメに擦り寄ってきたんですかね。
満を持して、といった感じの前評判だったし、本家のアニメもめちゃくちゃ面白かったので期待していたのだけど、まさに期待通りでした。
特筆すべきは、プロデューサー(通称、武内P)がすごく好印象な男。アイマスといえば2のときのJUPITER騒動もあり、個性を持った男キャラを出すのはかなりの冒険だと思うのだけど、そんな不安を吹き飛ばす好青年だった。実際、本家のプロデューサー(通称、赤羽根P)も好青年だったのだけど、武内Pは赤羽根Pとはまた違ったタイプの好青年。実直で芯があるいいキャラだと思います。
元々が人気ソーシャルゲームということもありキャラの肉付けのさじ加減が難しいなか、アニメ版のディティールアップは素晴らしく魅力的でした。割と賛否両論な6話の未央だけど、自己評価と現実が吊り合わないフラストレーションは結構な人がぶつかる壁として消化しています。表現者は特にありうる話。美嘉のバックダンサーを体験したこともあって、10代の女の子が突然スターダムを経験したら尚更なんじゃないかな。もっとも6、7話でやる話ではなかったけど。それでも13話のファンレターのくだりは見ていて、揺り返しでエモが加速してしまった。
シンデレラプロジェクトメンバーの各エピソードは本当に素晴らしかったです。頑張ってる女の子の姿はやはり見入ってしまうよなあ。みくの仕事に対する葛藤と焦燥は思わずグッときてしまったし、蘭子が武内Pと歩み寄っていく過程や、年長者としてプロジェクトを引っ張っていく美波はとても魅力的だった。きらりが本当に心根のやさしい女の子として莉嘉とみりあに接する姿なんかは本当に感動してしまった。13話で美波が疲労とプレッシャーで倒れてしまい、それをシンデレラプロジェクトのみんながカバーをするという展開は、もう最初から涙なしでは見られなかった。円陣のときにアーニャと蘭子が美波の手を取るシーンは必見。
7月からの後期がますます楽しみです。
・ガンダム Gのレコンギスタ - ★★★★☆
メガファウナ、キャピタル、アメリア、トワサンガ、ビーナス・グロゥブが時と場所を変えるたびにいがみ合ったり手を組んだり、といった構図は眩暈がしそうなくらいに状況把握がし辛かったが、話が進んでいくごとにだんだんと理解が進み毎回引き込まれてしまう作品だった。やっぱり富野は天才だ。他の富野作品のとおり、とにかく戦争を通した人間の描き方が抜群。
ZZやUCと比べるとMS自体は若干退行してしまった印象があったが、コックピット内部のつくりなんかは進歩していたのが印象深い。人類が宇宙世紀を捨てて改めて「人間の歴史」を作ろうとしている世界観が感じられた。時代背景としては、∀における黒歴史がどのようにして黒歴史となったかという時代の話だと思うので、これを機に改めて∀を見てみるのもいいかもしれない。
あと、最終話のサブタイトルが『大地に立つ』だったのを見て、1stから∀までのU.C.の系譜としていよいよ最後なんだなあと感慨深くなってしまった。戦争の結末も「大地は何ものをも包み込む」というような富野監督の意思が見えて良かった。
しかし後期OPがあまりにもヒドイ選曲だったので星4つ。なんなんだアレは。舐めているのか。
・探偵歌劇ミルキィホームズTD - ★★★☆☆
ミルキィの面々はトイズが復活しても相変わらずポンコツだし、前作の主人公のフェザーズはポンコツになってしまったしで、俺たちの好きだったミルキィホームズが少しだけ帰ってきたと思った。
内容は1期2期に少しだけストーリーがあるといった程度。ミルキィホームズのアニメはこういう路線が正解ですね。
ただ1期2期のギャラクシーエンジェル感はなくなってしまったなあ。そこは残念。
・デュラララ×2 承 - ★★★★☆
デュラララ!!は群集劇として本当に面白い。見せ方が上手すぎる。
様々な立場の人と勢力が入り乱れるし場面がころころ移り変わるのだけど、それでいて話がわかりづらいということもなく、本当に池袋でダラーズの騒動を直に体験している感覚を得られた。
分割3クールということもあり、今回はTO羅丸とダラーズの抗争にこれからブルースクエアと帝人がどう関わっていくのかのプロローグに過ぎなかった(と思う)ので今後も楽しみ。
そういえば放送中に「デュラララ!!の主人公はセルティ」というのを見て驚いたんだけど、たしかに言われてみれば承を見ていると主人公はセルティなんですね。ずっと帝人が主人公だと思ってた。
・DOG DAYS" - ★★★★☆
今作が3期ということもあり、私は年末の一挙放送で1期2期を見たのだけどめちゃくちゃ面白いアニメだった。1期のラストは泣いてしまった。
フロニャルドがそもそも、国家間の戦争が興行として一般大衆の娯楽になっている。人が戦争でダメージを受けてもフロニャ力(地母神の加護みたいなもの)でケモノ玉(小さな丸い動物)になる。魔物は「封印」(実際は封印というよりも浄化)する。絶対に「殺す」という単語が出てこない。という本当に優しい世界で、この世界観を考えた人は天才なんだろうな。
3期のエピソードだととにかくレオ閣下とリーフ王子の話が好きです。いわゆるおねショタなわけだけど、これだけでもっと話を膨らませてほしいくらい。本当に4期が待ち遠しい。私も冬のフロニャルドを体験したい。
・ローリング☆ガールズ - ★★★★☆
初っ端から5W1Hを「これはこうこう、こういう世界です。それでは楽しんで!」と簡素・簡潔に済ませて見る人を限定的な空間に即放り出すという、まるで遊園地の絶叫アトラクションのような感じだった。
おそらく見ていた人が全員、実際どういう内容だったかと問われたら「女の子が全国各地を旅してて、その女の子たちがブルーハーツ歌ってて、よくわかんないけど面白いアニメだった」としか説明できなさそうな感じも絶叫アトラクション然としていたと思う。最終回とエピローグで今まで不思議だった部分に得心がいったのもカタルシス由来の多幸感があって良かった。
名古屋編と京都編がめちゃくちゃ面白かったです。血圧が高い人なら鼻血出るんじゃないかな…
・アルドノア・ゼロ - ★★☆☆☆
面白かったのは後半の3話だけかなあ…最終話はひどかった。
結局、エデルリッツォ以外誰一人として自分のことしか考えてない戦争ドラマだった。そもそも、まず戦争の根が火星人の地球に対するコンプレックスでしかなかったし、火星側も「領土侵略」っていう大義名分を掲げてはいるものの、火星人が階級制のくせに利権や矜持を見せないから具体的な利益が見えてこずで、なんで戦争をしているのか全然理解できないお粗末っぷりだった。アセイラム姫が戦争を止めたい理由も盲目的に独善で叫んでるだけで超チープ…
キャラクター設定についてもまったく生かせてなくて、例えばライエの「火星人スパイの娘」やレムリナ姫の「アセイラム姫に対するコンプレックス」はぼんやりしてたら解決してたレベル、特にスレインの「地球生まれ」という設定については「ああ、そんなのもあったね」と思うくらいの空気っぷりだった。
とにかく伊奈帆の目がチートすぎて敵が襲来しても「さあこいつをどう倒すのかな」としか思えないアニメだった。もっともその理科の実験のおかげで戦闘シーンは面白かったけど。
・クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 - ★★★★★
「サンライズがすごい豪華キャストのアニメを作るみたいだぞ!」→「えっ…面白いぞ…」というアニメ。
まず何よりストーリーがしっかりしていて、世界の謎が出てくる→謎が解ける。しかしまた別の謎が生まれる→謎がとける。しかし以下略、という絶対に視聴者が飽きない仕掛けになっていた。最初の段階からずっとアンジュがディストピアを解放する革命の話だと思っていたのだけど、アンジュが立ち上がり歩き出していくエクソダスだと最終回でようやく理解できるのも秀逸。とにかくギミックが素晴らしかった。
キャラクターについても、アルゼナルの面々はひと癖あってアンジュが独り立ちしていく過程を底上げするのに一役買っていたし、彼女たちもアンジュに感化されて魅力的になっていく過程が見ていて飽きなかった。悪役も秀逸で、ディストピアを創りだしたエンブリヲが本当に気持ち悪くて嫌いになれる悪役だった。
ヒーロー(ヒロイン?)のタスクも、ラッキースケベが話題になっていたけれど、あれも本質的には「セックスを強迫して嫌われるエンブリヲ」と「スケベな目にあっても好かれるタスク」の対比表現として見るとアンジュの伴侶としての在り方が際立っていたと思う。あとセックスをしたことで、母性を獲得したアンジュと守るものを見つけたタスクという相互の信頼関係が生まれたのも良かった。
本当に「話が面白ければアニメは面白い」と思える作品だったと思う。サンライズにはまたこういうアニメを作ってもらいたいです。
・烈車戦隊トッキュウジャー - ★★★★☆
スーパー戦隊シリーズ38作目。
最初は今回も少々コメディタッチが強いなあと思っていたのだけど、アキラがレインボーラインを離れてシュバルツと取引をしたあたりからは意外にも話が奥深くて面白かった。
話が濃密すぎて気付けば40話…これどう落とすんだと思ったあたりで、ライトとゼットの関係性が明かされ、あれよあれよと息を呑む展開はまさしく怒涛。ライトが単身シャドーラインに乗り込んだあとは不覚にも心を打たれてしまった。
余談だけど、トッキュウジャーの面々が誰もシャドーライン幹部をその手にかけなかった理由が「トッキュウジャーは、見た目は大人でも実際は子どもだから子どもが人を殺すことは避けた」というのにはただただ感動。特撮や子ども向けアニメは、大人も楽しんでいいけど、本来は子どもが見るためのものだということを再確認。
Vシネマも作られるみたいなので機会があったらそれも見てみたい。
・七つの大罪 - ★★★★☆
アニメ化作品があったようで実はひとつもしていないことでお馴染み、鈴木央先生の初アニメ化作品。
世代的にライジングインパクトのイメージが強くて、その他に読んだ作品もUltra Redやブリザードアクセル、金剛番長と割りかし「中世ファンタジー」のイメージが薄いものばかりだったので多少の不安があったけどもとても面白い作品だった。
本当に少年漫画然とした冒険活劇で、仲間を増やしながら旅を進める・立ちはだかる敵を倒す・固有の必殺技が出てくる・少しエッチなシーンがある、とまさにワクワクせざるを得ない王道RPGのような内容だった。
2期に続くような雰囲気(というかフラグ)もあったし、原作はまだ続いているので予定はあるのかな。楽しみ。
・夜ノヤッターマン - ★★★☆☆
タイムボカンシリーズの勧善懲悪は踏襲しつつ、ヤッターマンとドロンボーの立場を逆転させた新しい「ヤッターマン」。見ていた感想としては、ガリナが男として成長する物語だったな、と。
ささやきレポーターやオモッチャマに通じるサイコロ、レパードがガンちゃんに惚れてしまったりなど本家へのリスペクトを感じる小ネタが多かったのが印象的。最終回でガリナとアルエットが決意し、レパードたちはドロンボー一味らしく戦ったいたのは「これもヤッターマンシリーズなんだな」という印象で熱い展開だった。
あとモノマネ芸人のホリさんがルパン三世のクリカン方式よろしく、ドクロベエの声をあてていたのだけど、本当に上手だったし何より滝口順平さんそのままで感動した。
しかし、タツノコのリブートシリーズではGOTCHAMAN CROWSが素晴らしかったので、それを期待してた人は落差があったと思う。
OPが本当にカッコいいです。
・純潔のマリア - ★★★★☆
もやしもんの石川雅之原作の作品…ということなのだけど、正直もやしもんを読んだことがない僕にとってはあまりピンと来てなかった。…面白かったです。原作とはかなり違っているらしく、ガルファやベルナールはオリジナルのキャラクターだったらしいが、それも込みで本当に面白かった。
基本的にはマリアとジョセフの進まない恋愛にやきもきしていたのだけど、マリアに一目惚れしたジョセフにもジョセフの考えがあって、それを引き立てる野心家のガルファがいい味を出していたと思う。最後の教会での決闘は、和を望み、野心家のガルファを否定しつつも闘争心をむき出しにするジョセフ、そんなジョセフを包み込むマリアという構図が良かった。
最後の告白にしても、キリスト教が絶大な力を持っていた中世において「教会で」「愛を告げる」というシーンがまんま婚姻として成立していて思わず笑ってしまうほど。マリアとジョセフが魔女(処女)と童貞のカップルというのも機知に富んでいた。ベルナールも自分自身の信仰を続けた結果、神によって粛清されてしまうのも邪悪と罰の構図がはっきりしていて気分が良い。
続きが少しあるみたいだし何よりアニメとどう違うのか興味があるので原作も読んでみたいです。
・フランチェスカ - ★★★☆☆
元々は前期の北海道ローカルの作品。スタッフも多くなく、作画も少しカクカク、EDはキャラごとの一枚絵が次々に出てくるだけ…
だったけどどこか温かみのある作品だったと思います。
特筆すべきは主演の牧野由依さんが歌う「囁きは"Crescendo"」で、控えめに言って神曲なのでこれだけでも是非。
・新妹魔王の契約者 - ★★★☆☆
聖闘士聖矢とかキン肉マンのような、勢いが魅力的なアニメだったと思う。
わかりやすい王道のファンタジー×ラブコメで、ラノベ原作にありがちな難解な設定や用語も少なく、「義妹が魔王(候補)。主人公は勇者(の末裔)」というスタンダードな素材だけを生かしたジャンクフードといった印象。
とにかく押し付けがましいほどのエロスが話題だったけど、その裏に紛れてストーリーは割と歯応えのあるファンタジーなので2期も楽しみです。
・ISUCA -イスカ- - ★★☆☆☆
異能持ちの少女とごく一般的な男子(こいつも実は異能持ち。しかも特殊性能)が非日常に放り込まれるラブコメファンタジー、と極めてラノベ的なストーリーながら、意外に世界観は陰鬱としていた作品だったと思う。モブばんばん死ぬし…
だからといって評価に繋がるかと言ったらそうでもないのだけど、そこは少し目新しいなと思った。ちょっとキレイなBLOOD-Cみたいな。
梅津泰臣の描くEDだけは最高だった。
・聖剣使いの禁呪詠唱 - ★★★☆☆
なんなんだろう、なんといえば良いのか。大真面目なシーンがすべて笑える、シリアスな笑い(バクマン。より引用)のアニメ。突っ込みどころ満載。
これは一転して、難解な設定や用語だらけでいかにもラノベ然とした現代異能バトルなのだけど、正直全部どうでもいいと思えるほど笑いの絶えない作品だったと思う。スタッフも狙ってやってたのが明け透けで、「綴る」のフリーフォントを配布していたのには腹を抱えてしまった。もっともこれらのせいで原作はきっとつまらないんだろうな、というのは感じてしまったが…
見ていた人たちで「綴る!」とか「We are the"Saviors"!」とか「思い…出した…!」って真似したいです。
春は「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレボリューションズ」を楽しみにしています。
以上。