2015.07.13

2015年の春期アニメのうち見ていたものの5段階評価と感想。

 

・ハロー!!きんいろモザイク - ★★★★☆

日常系・きらら系アニメの2期となるとそれこそ「けいおん!」のようにドラマチックなエピソードを挟んだりしない限り、往々にして…といった感じなのだけど、きんモザに関しては前期と一切変わることないのに面白いといった印象。正直前期より面白かった。

おそらく要因はカレンの存在。基本的に「しのぶとアリス」、「陽子と綾」といったコンビの構図があるのに対して、カレンだけは誰とでも組めるジョーカーのような立ち位置になっていて、カレンが的確なタイミングでひとり歩きすることで展開に緩急が生まれて飽きがこない作りになっている。原作は4コマ漫画だから100%計算されているとは考えにくいけど、こういったキャラはとても大事だなと思った。日常系アニメに関しては特に。

あとこの手のアニメにありがちなお色気シーンがまったくなかったのも良かったと思います。

てーきゅう 4期 - ★★★☆☆

・高宮なすのです!~てーきゅうスピンオフ~- ★★★☆☆

2本まとめて。制作会社が変わったとはいえ、依然として相変わらずのてーきゅう。特に語ることはないです。5期も楽しみ。

・響け!ユーフォニアム - ★★★★★

青春が俺を殺しに来る!!

番組の情報が出てから3話あたりまで「けいおん!3期」とはしゃいでいた自分が恥ずかしい。罰したい。とても面白い人間ドラマだった。前期のSHIROBAKOとはまた違ったドラマで、一度崩れた部活が瀧先生と部員たちの手で立ち直っていく姿にあれよあれよと引き込まれてしまった。

実際、主人公たちの人間関係は吹奏楽部の再興とはあまり関係なく、ほとんどなし崩し的に環境の変化に流されていくのだけど、その変化の奔流で移り変わっていく登場人物の心境がストーリーに作用していき、見ているだけのこちらも実際に吹奏楽部の傍で見ている感覚に捉われてしまった。

第11話での再オーディション直前の久美子と麗奈のやりとりが一番すごかった。特に動きがあるわけではなく、純粋なセリフ回しだけで身の毛がよだったのは初めてかも。最終話も物語のオチとして最上級で、個人的にはもうこれ以上の話は見たくないなって思うほど良かった。2期とか劇場版とかはあまり見たくない。

トリアージX - ★★☆☆☆

まず話が…取ってつけたようなエロティック×ガンアクションとサディスティックな描写といった感じで本当に乳くらいしか見るところがなかった。

キャラデザが「かのこん」や「れでぃ×ばと」、「マケン姫っ!」の高見明男なので、そういった意味でもBDで見るのがいいかも…最終話は画面の9割が湯気だったし。

・えとたま - ★★★☆☆

CGがすごいな、と。

ストーリーは単純にかわいい女の子キャラがたくさん出てくるドタバタコメディで、誰かが「2015年のデ・ジ・キャラット」と言っていたのには納得。実際00年代の萌えアニメの空気を感じるつくりで、なんだろう。「七人のナナ」とか「ななか6/17」がやってた頃を思い出す…

第3話で急にウリたんが死んだ…と思ったら翌週あっさり「転生」というかたちで復活したときは思わず「僕が求めてたのはこれだよーーッ!」と声に出してしまった。

まあ、萌えアニメ以上でも以下でもなく、純粋にキャラに溺れるアニメかなと思います。みんなかわいい。

放課後のプレアデス - ★★★★☆

自動車メーカーのスバルとGAINAXのコラボが原案ということで、どういったアニメなのかという概要が一切掴めなかったのだけど、額面通りに「大人の絵本」です。純粋無垢な魔法少女ファンタジー。昨今の「魔法少女」にはあまりいいイメージがないので、こういった正統な魔法少女は逆に新鮮。

話のロジックもよく出来ていて、第8話でななこが河原で拾った石が会長だった理由が、第10話でみなとのせいだったことが判明するところには爽快感を感じた。こういったところも「大人の絵本」といえる所以かな。最終話で、重なり合ってた5人の運命線が別々になって、最後にすばる個人の運命線にフォーカスするという展開は、読めていたとはいえグッとくるものがあった。本当にキレイな話だったと思う。

ドライブシャフトのSEにスバル車のエンジン音が使われているというのが、企業を前面に押し出しすぎやしないかと少し不安であったけど、まったくそんなことはなくて良かった。話数ごとに出てくる惑星の薀蓄も、本筋にはあまり関係なくとも、ひと味が利いていてgood.

パンチライン - ★★☆☆☆

前半はアレ。後半はそこそこ…といった印象。第7話以降の所謂「2周目」は、伏線が見え見えだったのに結構面白かった。でもこれ言ってしまえば「ひぐらしのなく頃に」だよなあ…とはいえ、最終回の遊太の決意は少しグッとくるものがありました。

アクションシーンも結構見応えがあり、特に最終回の遊太とグリコの殺陣のシーンで、刀の動きを腕の振りより少し遅らせて動かすことで重量感を表現していたのには作画の機微を魅たという実感があって良かった。遊太の声が井上麻里奈さんで、少年の声はちょっと無理あるなあと思ってたら、それも含めて伏線だったのにはメタ的だけど思わずニヤリ。

しかし、なぜ「劇伴:小室哲哉」をウリにしていおいて主題歌も小室サウンドにしなかったのか…そこも小室哲哉であって欲しかったな…

魔法少女リリカルなのはViVid - ★★★★☆

なのはシリーズ第4弾の前半。前シリーズのStrikerSは少々陰鬱とした感じだったし、今作の主人公、ヴィヴィオのバックグラウンドが少し複雑なのでちょっと警戒していたところもあったのだけど、一切そんなことはなく楽しめました。というか少しほんわかしすぎ?

全体的にもうなのはの頃とは違って、ほとんどストライクアーツがメインになってしまっているのはちょっと残念。「魔法少女」の通り、もっと魔法メインの子たちが出てきてもいいなあ。ヴィヴィオがストライクアーツを扱う以上、もっともなのかもしれないけど。

まあまだ前半なので、後半どうなるか…ただ、やはりシリーズを見ていないと取っ付きにくいところはあるかも。ヴィヴィオとアインハルトの関係は少しだけなのはとフェイトに似通ったものを彷彿とさせるので、これを機に劇場版を見直すのもいいかもしれない。それこそ、ヴィヴィオがインテリジェントデバイスに名前をつけるシーンはシリーズを見ていてなおグッとくるし。

余談だけど、なのはとフェイトの身体つきを見て時の流れを感じてしまいましたので懺悔。

ニセコイ: - ★★★☆☆

1期は原作ファンをバカにしているとしか思えない出来だったので期待は薄かったけど、どっこい2期は致命的にニセコイに合わない新房演出が鳴りを潜めていて良かった。

一番面白かった回は、本編とはまったく関係のない第8話の「マジカルパティシエ小咲ちゃん!!」。正直、マジパテの方をシリーズ化してもいいんじゃないかなってくらい面白かったです。あとはやっぱり原作でも好評な第10話。梶裕貴さんが普段の集とはまた違った演じ方を見せてたと思います。個人的には集とるりの関係が好きなので、この調子で原作:第113-115話も映像化しないかなあ。いい話なんだ。

LiSAさんのOPがいいですね。映像に込められた意図はちょっとわからないけど…EDは内山夕実さんの曲がすごく良かったです。エレクトロニカ

ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース エジプト編 - ★★★★★

「素晴らしい」の一言に尽きる。最終話ではとにかく泣いた。おそらく人生でも一番と言っていいんじゃあないかというくらい泣いてしまった。生きてて良かった。davidの作るジョジョアニメが放送される世界に生まれて良かった。2時間泣いた。長いので脚注(マウスオーバーで→*1)を使って書きます。

アニメオリジナルのシーンが本当に「補完」の意味で、一切蛇足になっていないのがすごい。第25話の「写真」*2のシーンなんかは一切の矛盾点がない完璧な補完でありながら、ファンに対する「粋なはからい」すぎて、エジプト編が始まって5分程度なのにもうボロ泣きしてしまった。あと第30話あたりからポルナレフがイギーを気にかけて*3いるのが涙を誘う。しかも最終回に最後、承太郎とジョセフが日本行きの飛行機に乗る場面を追加していて、そこで承太郎が「写真」を眺めて終わり。おそらく権利関係で"GET BACK"*4はダメだったんだろうなあと直前まで思っていたところに、このオリジナルのラストで僕のダムは決壊。他にも色々オリジナルの補完シーンはあるのだけど、この辺りで割愛…。

演出も気合の入ったシーンが多くて、第35話のダービー兄がコールしようと声を絞りだすシーンをロトスコープなどを使って描いていたのには舌を巻いたし、第46話で花京院がザ・ワールドの能力の謎を解き明かすシーン*5は、視聴者のこちら側もジョセフたちの状況を体験したような気持ちになった。特に花京院vsDIOのシーンは、漫画では出来ないアニメの表現をふんだんに使っていて、ただただ感激してしまった。

しかも本編に限らずDVD/BDのCMも本当に愛に溢れていて、アヴドゥルと花京院のCMは、彼等が本編で命を落としたあとに味のあるセリフ*6でまとめていてくれるのがグッときた。原作を何度も読んでいるのに、それでもグッときてしまった。

と、まあ語りだすとキリがないのでここまでとするけど、本当に20年以上の時を経てアニメ化した作品なのかと思うほどの面白さでした。何度も何度も読んでいるのに新鮮。アニメ作品としても本当によく出来ているので、ファンならずともオススメです。

・ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか - ★★★★☆

今期のヤスダスズヒト枠…なんてネ。

それはさておき、なんだか世間じゃ青い紐があーだこーだ言われてましたが、めちゃくちゃ面白い剣と魔法の正統派ファンタジーでした。舞台設定がMMORPGをモデルにしているのだけど、世界観に上手に浸透・反映しているのも魅力的。

設定としては「凡百にして凡夫で凡人な主人公が実はとてつもない能力を持っていて~」といった感じなのだけど、その「とてつもない能力」が主人公を振り回してしまいストーリーがどっちらけ…というわけではなく、主人公が真面目に頑張って着実に自分自身でステップアップしていく物語。もちろんピンチになると能力が花開いてといった王道は踏襲しているのですが、それがまったく気にならない自然さで、話の筋立てを邪魔しないのはすごいなと思いました。ヴェルフの登場は些か唐突さがあったのだけど、このへんは原作だともっと細かく描かれているのかな。

冒険譚としてとてもよく出来た物語だったし、主人公に感情移入、というか没入できるタイプのアニメだったと思います。ただ、ベルの成長の物語としてはとても良かったのだけど、ベルを取り巻く環境、とりわけフレイヤの企みについてはほとんど触れられてないままなので続きが見てみたいです。 

・終わりのセラフ - ★★★☆☆

ジャンプSQ.連載のダークホラー。分割2クールということで、まずは前半戦。

声優さんのそれぞれのキャラクターに対するイメージがばっちり合っていて、全員違和感がなかったと思う。特に飄々、毒舌ながら女の子らしいところは女の子らしいシノアが大変かわいらしかったです。この辺は演じた早見沙織さんの力量によるものかな。

ストーリーに関しては、割とよくあるような吸血鬼モノのダークホラー・ファンタジーといった感じだし、終わりのセラフ計画についてはほとんど何も解決されないままだったのがちと残念。あとやっぱり吸血鬼としてのミカエラ側の話が足りなかったな…もっともまだ前半なので、ここからどう話が動いていくのかが楽しみではあります。最後のフェリドも気になるし。

澤野弘之の手掛ける劇伴も良くて、[nZk]としてのOP/EDも「アルドノア・ゼロ」で確立されたものがより盤石になったな、といった印象。OP映像も梅津泰臣によるものなので見応えアリ。クルルさまくるくる。

最終話の美術が荒廃した町並みなのに美しいのがとても印象的でした。

Fate/stay night [UBW] - ★★★★★

最高だった。OPの"Brave Shine"からもう最高だった。

キャスターと柳桐寺のくだりは少し中だるみしてしまったところもあったのだけど、その後のアインツベルン城、ギルガメッシュ登場、柳桐寺決戦は本当に息つく暇なく見てしまった。

アニメオリジナルのシーンが、「Fate/Zero」を見ていることが前提となっているのはあるにしても、原作シナリオの補完としてとてもありがたい内容だったし、それこそ原作でちゃんとプレイしたのは[Fate](セイバールート)のみの自分としては半分新鮮な感覚で楽しめた。

セリフ回しも凄まじく、イリヤバーサーカーへの想いを口にしながら散りゆくシーンや、アーチャーの英霊としての苦悩を吐くシーン、特に士郎が『無限の剣製』を詠唱するときや、ギルガメッシュと対峙した際の「いくぞ英雄王――武器の貯蔵は充分か」には打ち震えてしまった。正直、個人的に、衛宮士郎という人間があまり好きではないのだけど…声優さんはすごい。

最終回がエピローグというのもなお良し。Zeroのアイツが時計塔の教員として出てきたときはワッとなってしまった。

劇場版の「Heaven's Feel」も楽しみです。ものすごく。本当に。

・プラスティック・メモリーズ - ★★☆☆☆

1話はとても良かった。A.Iやアンドロイドに関するSFとしてプラスティック・メモリーズの舞台設定はとても好きで、それこそアイザック・アシモフロボット三原則から先のロボット倫理の話を期待していたのだけど…いかんせんただの「時限爆弾付きの命との恋愛ドラマ」だったのが残念だった。別にアニメじゃなくてもいいじゃん。

最終回のアイラとツカサのやりとりの演出は結構良かったんだけど、なんでアイラが普通に機能停止したのかが未だにわからない。感動とかそういうの以前にターミナルサービスってなんだったの?といった疑問が上回ってしまった。なんか大事なところで設定が穴だらけだったなあ…

とはいえ、題材や世界観はとても良かった。考えてしまうことも多かったし、こういう世界を生命倫理や哲学の方向から見た作品が見たいと思いました。

・うたのプリンスさまっ♪マジLOVEレボリューションズ - ★★★★☆

3期が始まるというのでいよいよ見ようと思い立ち、dアニメストアにて1期2期を一気に視聴…正直少しナメていたところがあったのも含めて、めちゃくちゃ面白い!!ということで楽しみだった3期だったのだけど、本当に毎回面白かったし曲もカッコイイ。

最後2話でST☆RISHvsカルナイになって、あれ、尺足りるかな?なんて思っていたところにHE★VENS登場には痺れた。しかも即4期が発表。こういった広報を見てても、うたプリはファンに愛されてるしファンを大事にしているなと思う。

ただどうしても、毎期毎話、各エピソードとして個人個人にスポットを当てていたのに最後のオチで急にストーリーがついちゃうのでちょっとついていけないところは否めない。個人的には春ちゃんとプリンスたちのキャッキャウフフなお話が見たいんだよなあ。もっとも4期は明確にST☆RISH&QUARTET★NIGHT vs HE★VENSになりそうなのでそういう部分を期待。

曲単位だと寒色組が一番好きです。エピソードだとカミュ回。プリンスは翔ちゃんが一番好きだなあ。

・てさぐれ!部活もの すぴんおふ プルプルんシャルムと遊ぼう - ★★★☆☆

私は声優ラジオを聞かないタイプの人間なのだけど、声優ラジオというのはこんな感じなんだろうな。しかしまあ面白かったです。アドリブパートが本当に面白い。あと…声優さんってスケベだなあ…

声優さんに興味が強い方ではなく、ダメ絶対音感(「かってに改蔵」を参照)もとんちんかん、演技の機微にも疎い私だけど、楽しいアニメ…アニメ?でした。特にお化け屋敷の回が好きです。もちろん百合狼も。

アフレコを先に絵無しでやって後からCGモデルを動かす手法は驚きました。しかも一人の手によるものだったそうで。感嘆。

・SHOW BY ROCK!! - ★★★☆☆

ソシャゲが始まった当初は「サンリオがとうとう血迷った…」なんて思ったのだけど、よく考えたら「おねがいマイメロディ」や「ジュエルペット」の例があるのを思い出して少し納得。

とはいえ、ピューロランドを主軸に今までやってきたサンリオが手掛ける深夜アニメというのはどうなんだろう…?と疑問はまた出てきたが、なんてことはなく、子ども向けアニメに少々の深夜テイストを盛り込んだアニメでした。キャラクターはとてもよく洗練されていて、とにかくみんなかわいいし、それぞれコンセプトがはっきりしたデザインだったと思う。

基本的にバンドがテーマの世界だったので、音楽もイイ曲が多かったです。ここも各バンドにそれぞれ個性があって良かった。本当にサンリオらしくキャラクター推しのアニメだったと思う。

あとこれもCGがすごかった。レンダリングもライティングも滑らかでキレイだった。個人的には人型のCGも見てみたかったです。

攻殻機動隊ARISE ALTERNATIVE ARCHITECTURE - ★★★☆☆

攻殻機動隊GHOST IN THE SHELLのリブート版…という解釈でいいのだろうか。とにかく、攻殻機動隊における「公安9課」の結成までの物語。

正直、border:4を最初に回してその後に1から順番、最後の2話で新作エピソード…というのはとてもわかりにくかった。border:3までは全部DVDで見ていたのだけど、それでもわかりにくかった。TVシリーズ用に作ったものではないOVAを2話にかけて放送していたのもわかりにくかった要因かな…最終エピソード(第9、10話)のPYROPHORIC CULTも新劇場版に繋がることが前提の話なので、現時点では評価がしづらいです。

とはいえ、ARISEそのものは電脳義体を効果的にトリックにした物語として面白いし、攻殻機動隊ファンでもifの物語として楽しめるのと思うので、是非ともDVD/BDで見て欲しいと思います。ただ軍事要素、警察組織要素はちょっと薄いかな。

山田くんと7人の魔女 - ★★★☆☆

個人的に「(当たり外れはともかく)初連載に続いて2作目の連載作品もメディアミックスする漫画家は本当の天才」と思っているところがあって、例えば荒川弘先生(「鋼の錬金術師」、「獣神演武」)や松井優征先生(「魔人探偵脳噛ネウロ」、「暗殺教室」)などが例に挙げられるんだけど、この「山田くんと7人の魔女」の吉河美希先生も「ヤンキー君とメガネちゃん」に続いてなので、つまりそうなんだと思う。師匠の真島ヒロ先生もそう。

話としては、「魔女」と呼ばれる超能力を取り巻く、ヤンキーの男子と優等生の女子の学園ラブコメ。しかもこの魔女の能力の発動条件のほとんどが「キス」。正直最初は「高校生が誰かれ構わずキスしまくるってなんだ!?ラブコメなの!?色々破綻しないか!??」と思ったけど、結構みんな躊躇せずにキスしまくるし、なんなら男同士もするのでこっちもそんなに気恥ずかしくなることなく見れた作品だった。シチュエーションって大事。

学園モノとしてもよく出来ていて、例えば、白石うららは他の女子生徒にイジメを受けながらもそれを一切意に介さない冷徹キャラ…と思えば超研部の合宿を心から楽しんでいたり、滝川ノアは大人である我々からしたらなんてことはない問題に苦しんでいて、それぞれが異能力を持った創作の登場人物でありながら「高校生らしい喜怒哀楽」を持っていて、深く没頭できたと思います。最終回も少年誌の直球ラブコメらしく収まるべきところに収まったハッピーエンドで良かったです。

血界戦線 - ★★★★★

トライガン」の内藤泰弘先生原作で、BONES制作で、松本理恵監督のアニメ作品が面白くないわけがない!!と放送前に息巻いていたのだけど、本当にめちゃくちゃ面白い。

松本監督の演出は大好きで、最初に意識したのは演出を担当していた「フレッシュプリキュア!」第12話『みんなで変身!フサフサ大作戦!!』。その後調べて思い返してみると「Yes!プリキュア5GoGo!」第36話『危ない!ファイブDEチャンス!(前編)』にはもうこの手法だったと思う。以前の監督作の「京騒戯画」はストーリーが難解すぎて少々ついていくのが大変だったので若干の危惧はあったけども、原作がこうスラップスティックだとこの演出が実に合う。

UNISON SQUARE GARDENの歌うEDは今期最高の曲だったし、映像も、めちゃくちゃ楽しそうにどんちゃん騒ぎする登場人物の様子が見ているこちらも楽しくなってしまう。アニメーション作画として作画枚数が極端に少ないっていう話(「血界戦線 ED 作画」で検索すると出てきます)ももちろんなんだけど、最終回直前特番でUNISON SQUARE GARDEN田淵智也氏が語っていた「カット割りや人物の動きが絶妙に曲の拍からズレていて、まるで生きているように動いている」にはハッとさせられた。

ジャズやフュージョンなんかが中心の劇伴もヘルサレムズ・ロット(異世界)と化して常に曇り空ながらもそれを日常として受け入れてしまったニューヨークという町並みにマッチしていたのが印象的。

11話のホワイト/ブラック/絶望王/幼ホワイト/幼ブラックを演じ分けた釘宮理恵さんもすごかった。

と、まあ一切が絶妙に噛み合った作品だったと思います。まだ放送未定だけど最終話が楽しみです。

・グリザイアの迷宮/楽園- ★★★★☆

前シリーズの「果実」がヒロイン一人一人を攻略していくアニメなら、今シリーズはヒロインたちが一丸となって攻略しにくるアニメだ!…とまあ冗談はさておき、今シリーズはとにかく主人公の雄二のバックボーンに注視。

実際、エロゲの主人公は、「主人公」とは言え主役はヒロインなので、あまりパーソナリティが与えられてなかったりするのだけど、今シリーズの雄二は幼少期から現在に至るまでのバックボーンの洗いざらいが語られている上に、最後はクッパ大王に攫われたピーチ姫よろしく、完全に「ヒロイン」然としていたのが印象的。というか昇格?

とはいえ、基本的には美浜学園のヒロインズは準主役で、目立っていたのは麻子と一姫かな。二人とも雄二の人格を形成した人物なのでそういった面で強調されていたのがとても良かった。少し調子っ外れなオチも秀逸で良かったです。本当に原作やりたい。

 

夏は「干物妹!うまるちゃん」がとても楽しみです。

 

以上。

*1:こんな感じにポップアップします。

*2:第5部の最初の方で、承太郎がエジプトの砂漠でジョースター一行全員で撮った写真を眺めるシーンがあるのだけど、その「写真」を撮るシーンを追加した。確かに、花京院がこの直後にゲブ神の攻撃で眼にダメージを負って一時戦線を離脱してしまうし、花京院が復帰すると同時にDIOの館に乗り込むので、イギーを含めた5人+1匹で写真を撮るのはこのタイミングしかない。しかもSPD財団に念写用のポラロイドカメラを持ってこさせて、動作確認のためにSPD財団の職員が写真を撮る。

*3:イギーは気ままなので他の4人と別行動が多くてDIOと戦う意思を見せるのも最終決戦の直前なのだけど、ポルナレフがヴァニラ・アイス戦で死にゆくイギーに対して「好きだった」と気付くシーンのために補完。

*4:原作ではジョセフがカセットウォークマンTHE BEATLESの”GET BACK”のカセットテープを差し込んだあと、承太郎とジョセフは日本行きのゲート、ポルナレフはフランス行きのゲートに向かうシーンで終わり。

*5:原作では、花京院が半径20メートル エメラルドスプラッシュを放つ→DIOが時を止める→花京院の腹をぶち抜く→花京院、給水塔に突っ込む・と、状況を「時の止まった世界」を含めて時系列順に描いていたが、アニメでは、花京院が半径20メートル エメラルドスプラッシュを放つ→突然、花京院が給水塔に突っ込む→花京院がザ・ワールドの能力の謎を解き明かすときに「時の止まった世界」を描写・と展開させた

*6:アヴドゥル「思えばインドで奇跡的に一命を取り留めたのも、この瞬間、大切な仲間を守るためだったのかもしれない。ハハッ、泣くな、ポルナレフ! イベントで会おう!」、花京院「ジョースターさんたちと出会えて本当によかったと心から思います。 困難な、しかしとても楽しい旅でした。エジプト編ブルーレイ、好評発売中。後は頼みましたよ、承太郎。」