2015.10.27

2015年の夏期アニメのうち見ていたものの5段階評価と感想。

 

赤髪の白雪姫 - ★★★☆☆

白泉社枠、というのもなんだか妙だがともかく白泉社枠。王子と王宮に仕える薬師の女の子の、身分を超えたラブストーリー。

王子のゼンが身分差を気にせずに誰とも平等に接する人物であることと位が高いことを鼻にかける王族貴族が悪役として出てくること、王宮という限定的な場所をメインの舞台にしているということで、ストーリーに極端な起伏はないものの、キャラクターがとても丁寧に描かれていたので毎回自然な気持ちで見ることが出来た印象。

同時期の「俺物語!!」とはまた違った純愛モノだったかな。今期はヒロインの白雪とゼンが一緒に歩き出す道を選ぶところで終わったので、2期がこれからどう進んでいくのかが楽しみ。

To LOVEる ダークネス 2nd - ★★★☆☆

実は「To LOVEる」自体は週刊少年ジャンプ連載開始から全部読んでいるどころか原作も全巻持っていて(ダークネスは未所持)金色の闇のフィギュアも持っているのだけど、最終回にして「ダークネス」=「ヤミ」だということにようやく気が付いた…

内容は言わずもがな「男の子の夢(よこしまな方)」なので割愛するとして、やっぱり白い光・黒いモヤが邪魔だったなあ…邪魔だったなあ!…

とはいえ、そんななかでもヤミ、ナナ、モモ、メアのメインヒロイン4人が全員「思春期の女の子」として魅力的だったのでそういう面にも注目してほしいと思います。

てーきゅう 5期 - ★★☆☆☆

さすがに5期目なので特になし…6期も見ます。

のんのんびより りぴーと - ★★★★☆

最初は「りぴーと」の意味がわからなかったのだけど、1話で「1期の作品時間軸の別視点・別エピソード」ということを理解…とはいえ、まったくの焼き直しというわけじゃなく、単純にサザエさん時空になっているエピソードも楽しかった。

1期ほどのインパクトは少なかったものの、ひらたいらさんのエピソードは純粋に感動したし、駄菓子屋とれんげの関係は一層深みが増したように感じた。あとはやっぱり美術。原風景の描写は突き抜けるような空の青と、吸い込まれるような山の緑が、ビビッドながらコントラストがはっきりとしていて思わず心が震えるような色彩。

それでいてドラマとロケーションがビシっと分かれているのに「のんのんびより」というひとつの作品を確立していて素晴らしい。再放送でもいいから定期的にやって欲しい作品。

しかし、こまちゃんは一体なにならちゃんとこなすことが出来るんだろう…

モンスター娘のいる日常 - ★★★★★

今期のダークホースその1。監督は「夜のヤッターマン」の吉原達矢監督。

原作はWEB版の1枚エロ漫画の頃から好きだったのだけど、アニメ化と聞いて正直「また量産型ハーレム系ラブコメかなあ…」なんて思ってたところ、歯切れの良いテンポに魅力的なキャラクター・という完成されたラブコメだった。

ヒロインが全員「人外」という外見の突飛さに負けない内面性と、何よりハーレム系ラブコメディに重要な「全員主人公のことが大好き」というのが、絶妙なバランスで成り立っているので見ていて飽きることがない。

ヒロイン全員が人外というのは中々とっつきにくかろうとは思うけど、自信をもって薦められる作品。

・ビキニ・ウォリアーズ - ★★☆☆☆

HOBBY JAPANによる、オリジナルメディアミックス作品。

完全に、ビキニアーマー好きの、ビキニアーマー好きによる、ビキニアーマー好きのためのアニメ。

かくいう私もビキニアーマー好きでね…ビキニアーマーが好きなら見て損はないはず。

六花の勇者 - ★★★☆☆

6人の選ばれし勇者が集うとそこには「7人の勇者」がいた!というスリラーサスペンス…なのかな。外部と隔絶された土地で7人の勇者が互いに疑心暗鬼になりながら、1人の偽者を炙り出すストーリー。

第1話から結構スロースターターながらも、サスペンスらしく徐々にストーリーのエンジンが上がっていくとともに、視聴してるこちらもじわじわとワクワクしてくるさまに、当初は面白そうだなと思ったのだけど…色々と勿体ない部分が多かった。

話のほとんどでアドレットとフレミィの関係を描きまくった割には7人目の人物が少々希薄だったのが。謎解きそのものは面白かったので、単純に魅せ方が…といった印象。同じ構成でも、もう少し緩急のついた展開になっていれば引きこまれたんだろうなあ。

オーバーロード - ★★★★★

今期のダークホースその2。MMORPGの世界で主人公が無双するアニメ・と、こう書くと短絡的な俺TUEEEEアニメと思いきや、どっこい設定も世界観もキャラクターもしっかり作りこまれていて拳を握り締めてしまう痛快熱血アニメだった。

決してストーリー上に謎があったり、何かについて考えたり…といったことはなかったが、とにかく次回が待ち遠しい!といった感覚。

WEB小説版・刊行小説版・アニメ版のそれぞれで登場キャラや視点などが微妙に違うそうなので比べてみるのも面白そう。

・空戦魔導士候補生の教官 - ★★☆☆☆

また「実力はあるけど落伍者が主人公のアニメ」…

と思いつつも、スポットが当たっていたのは「本当に落第寸前である3人の女の子の成長」だったし、キャラクターをきちんと描いていたのでそこそこ楽しんで見てたのだけど…最終回の演出が酷かった。最終回なのにラスボスへのとどめが画面外で起きるのはなあ…

La La LarksのEDがとんでもなくカッコよかった。バンドメンバーの面子もすごい。

俺物語!! - ★★★★☆

こういうのも陳腐な話だが、とにかく「ものすごく売れてる少女漫画」のアニメ化。

放送前は、監督が「ちはやふる」の監督である浅香守生だったので「おおっ」といった印象だったのだけど、原作はジャンプに載っていたニセコイx俺物語!!のコラボ漫画だけだったので、目にするまではどこか「女性目線の男らしさなんて男性には刺さらないだろう」などと懐疑的だった。

のだが、第1話で一気に剛田猛男という人間に凄まじく惹かれてしまった。もうとにかく猛男がカッコよすぎる。まさしく豪放磊落、海闊天空、勇猛果敢、漢、雄…と「男らしさ」を表現する言葉を挙げたら枚挙に暇がない。そのくらい猛男の魅力に溢れたアニメだった。

とはいえ、魅力的なのは猛男だけに非ず、親友の砂川もとにかくイイ奴で、少女漫画らしいラブストーリー性を決して損なうことなく、同時に男の友情が押し付けがましいほどに暑苦しく展開する作品だった。

余談だが、脚本が「アイカツ!」や「プリキュア」の百合回でお馴染みの高橋ナツコだったのだけど、NLも書けるんだなあと無駄な関心をしてしまった。

アイカツ! あかりGeneration - ★★★☆☆

3年目の今シリーズでは主人公が星宮いちごから大空あかりにバトンタッチ。正直、前シリーズは微妙だったので主人公が代わっても果たしてどうかな・とは思ったのだけど、今シリーズはなかなか面白かった。

しかしながら印象的なエピソードが少なかったなとは思う。もっとも局所的にエピソードが面白かった・というより長期的なあかりの成長物語が面白かった・というのがあるかなあ。ただやはり、1年目からずっと見続けていた身としては、さすがに第125話「あこがれの向こう側」で、Soleilのサーガはこれでひとまず終わったんだな・と考えてしまい感極まってしまった。あとジョニー先生がジャージを着替えるところも良かった。

キャラクターは今作もピーキーな子が多かった印象。個人的には凛がやっぱりかわいかったなあ。初登場で度肝を抜かれたのは久々。あと、ここねちゃんに対して最初ちょっと嫌なキャラだな…と感じてしまったのは、アイカツ!を見る姿勢として少し新鮮だった。補足しておくと、ここねちゃんもイイ子です。

4年目からはまた新たな後輩キャラが出てくるので今後も追い続けていきたい。

・がっこうぐらし! - ★★★★☆

最初は、ただの設定だけが先走った作品…といった感じでうまく馴染めなかったのだけど3話あたりから徐々に楽しめた印象。

銃器のない日本で・女子中学生が主人公のゾンビもの・というのにはやはり少ししこりが残るものはあったものの、丁寧に各キャラクターのバックグラウンドを描き、過去を乗り越えて一所懸命に生きていく彼女たちの現在・というのは純粋に引きこまれた。リビングデッドの蔓延る世界も、学園生活部の面々の「生きること」へのひたむきさを際立たせていて、そういう目線で純粋に日常モノとして楽しめた。

ただ、めぐ姉が「パンデミックバイオハザードを想定した学校の教職員」のくせに緊急避難マニュアルをほとんど把握していなかったのは少し気になってしまったな…

ゆきの制服だけ色が違うのが、「白以外をネガポジ反転した配色」=「ゆきだけ世界の見え方が真逆」という意味を含めた配色というのは感嘆。10話以降、OPが一気に不穏になるのもベタながら良かった。

・乱歩奇譚 Game of Laplace - ★☆☆☆☆

手元で急に落ちる無敵のフォークボールみたいな作品。江戸川乱歩没後50年記念作品がこれじゃ江戸川乱歩も浮かばれない。

最初は『人間椅子』をベースに、推理モノとしては意味をなさないながらも、エンターテインメント性はまあギリギリ…といった感じでだらだら続いていたのに、9話にして急転直下。

というのも、これまで殺人事件が起きるたびに事件概要解説役、言わば狂言回しとして存在していただけの解剖医・ミナミが、なんの脈絡もなく突然にエピソードの最重要人物である「犯人」として出てきてしまったため。まさか推理ミステリ(推理ミステリとはお世辞にも言えないが)で、いざ犯人探しの段階になったら「正体は(ほぼ)新キャラ」とは恐れいった。完全に『20世紀少年』のカツマタくんじゃあないか。もっとも思い返してみれば、『人間椅子』のときも犯人は突如出てきた新キャラだった…

その後も、『影男』以降のエピソードに少なからず関わってきた黒幕・怪人二十面相の正体が、これまた新キャラの、明智の旧友というザルっぷり。「まさかアイツが犯人!?」だとか「やっぱりコイツが黒幕か!」といった類のカタルシスや爽快感もなく、「…えっ?…誰?」といった泥水の底に溜まった澱のような感情しか残らない、まるでペテンみたいなアニメだった。

amazarashiのOPは良かったです。

・城下町のダンデライオン - ★★☆☆☆

都市国家の王家・桜田家の子どもたちが次期王位の座を争うドタバタコメディ。

内容はまさしく可もなく不可もなくで特筆すべきところはなかった。ただ、長男・修とその恋人・花の出会いのエピソードと、父王・総一郎と王妃・五月の馴れ初めエピソードは個人的に好きな回だった。

・ミス・モノクローム -The Animation- 2 - ★★★☆☆

ウルトラスーパーアニメタイム内。

過去の堀江由衣さんの楽曲MVを次々とパロディしていくOPがとても印象的だった。3期も楽しみ。

・うーさーのその日暮らし 夢幻編 - ★★★★☆

ウルトラスーパーアニメタイム内。

今迄のうーさーらしいっちゃあ「らしい」んだけど、今期はシュールな回が多かったように感じる。地獄のとか…あとコラボがちょっと少なかったかなあ。名前を呼んではいけないあの動物とあじぽんのCVがそれぞれ諏訪部順一さんと水樹奈々さんだったのには笑ってしまった。

わかば*ガール - ★★★★☆

ウルトラスーパーアニメタイム内。

きんいろモザイク」の原悠衣の原作。10分アニメだったので、見応えは如何にと思っていたところもあったのだけど、清楚で絵に描いたようなお嬢様が初めて「友人」を得たことで青春が色付いていく・というストーリー展開がとてもキレイで楽しめた。RayさんのOPもすごく良かったです。

アイドルマスター シンデレラガールズ - ★★★★★

「2010年代を代表するアニメは?」と聞かれたら迷わずに「アイドルマスターシンデレラガールズ」をラインナップに挙げるだろう。そのくらいにすごいアニメだった。

原作原案ではソーシャルゲームという特性上、ピーキーにチューンされていたアイドルにストーリー性を持たせる上で、個性を損なわずに魅力的に肉付けしていくキャラクター作りもさることながら、特に感嘆したのはそのキャラクターを動かす演出面。

シンデレラガールズ」の通り、童話のシンデレラになぞらえた演出がとても多くて、1stシーズンは『12時の鐘』をモチーフにした時計が中心、2ndシーズンは『お城の大階段』をモチーフにした階段が中心に出てくる。それも重要な局面で。

2nd以降のNGに限定して例を挙げると、第20話で凛がTriad Primusに参加することを迷っているシーンでは、歩道橋の踊り場から最上段を見据える凛(この歩道橋は前日に奈緒と加蓮が並んで上っていた)。第21話で凛が参加を決意したことを卯月に打ち明けるシーンでは、凛が最上段、卯月が下。第24話で卯月がステージに復帰する前に武内Pと歩いたライブ会場搬入口では、まるで迷路のように階段が入り組んでいたり…しかもこの階段は、第1話と最終話のライブ会場楽屋搬入口の階段のシーンに繋がり、これがラストのシーンの重厚さを演出していて本当に素晴らしい…と、まあ登場人物の心境を描くのに階段を効果的に使っていたのがとても印象的だった。

階段以外だと、第23話の卯月の「徐々に自分と向き合えなくなる心理」をレッスン場の鏡で表現している・というのはベタながらもハッとしてしまった。

演出以外だとやっぱり『島村卯月』という存在かな…今まで数々のアイドルが問題に直面し、解決していくなか、卯月だけはずっと愚直に「がんばります」とだけ言い続け、見ている側もそれまで卯月を注視することはなかった。もしかしたら意図的に視聴者の意識が卯月から外れるようにしていたのかな・とさえ思うくらいに。

しかし最後の最後で卯月の抱える悩みにフォーカス。しかも卯月役の大橋彩香さんの演技が戦慄するほどにすごい。正直何度見ても涙なしでは見られない。そして第23話からの期待が、第24話の"S(mile)ing!"で解放される様はただただ拍手。脚本の綾奈ゆにこは「アイカツ!」1stシーズンといい本当に「女の子の成長」を描くのが上手い脚本家だなあ。

最終話はボーナスステージといった感覚で、ここまでの24話を通して成長したシンデレラプロジェクトのメンバーがこれからどのような未来を歩むのか・ということを想像させるに足るエピソードで余韻がとても心地いいものだった。本当に見続けて良かった。

NG以外のエピソードでも、頑なとも取れる真面目さで菜々に道を指し示すみくの姿や、「姉」という同じ立場の美嘉の重責・辛さを受け止めるみりあの圧倒的なまでの母性、他者を慮ることが出来るきらりと心根の優しい杏の掛け合い、といった回は何度もリピートしたい。特に第19話は、ラストの江戸切子と夕焼けの調和がキレイで…

メインメンバー以外のエピソードだと、第15話の楓さんのステージに対する姿勢と楓さん・川島さん・早苗さんの仲の良さ、第24話の文香とありすの関係性が好きです。

というかもう単純に楓さんが好き…

・GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり - ★★★★☆

萌えを少々控えめに、軍事的要素を多めにした「アウトブレイク・カンパニー」…と思いきや、どうやら「アウトブレイク・カンパニー」の元ネタらしい。

それこそ、「アウトブレイク・カンパニー」と比較してしまいがちになってしまうのかな・と思ったのだけど、アウトブレイク・カンパニーは異文化交流を中心に"侵略"していくのに対して、GATEは現地経済や政治を中心に展開していきながらゲリラ的に領土を拡充していく…といったストーリーで、これもまた面白い作品だった。

ただ、面白い作品だったが…自衛隊のゲート奪還作戦が純粋に「科学力の差で帝国軍を圧倒し蹂躙する虐殺行為」に見えてしまったり、伊丹が昼行灯ながら実はレンジャーや空挺持ちといった設定が少し『出来過ぎ』で気になってしまった。

もっとも気になったのはそれくらいで、ヒロインも魅力的だし、登場人物の思惑や利害などが交錯するドラマがとても面白かったので冬からの2シーズン目も楽しみ。あと、岸田教団のOPが実に滾る曲でカッコよかったです。

・監獄学園 - ★★★★★

あの「アゴなしゲンとオレ物語」で有名な平本アキラによる、週刊ヤングマガジン連載のギャグ漫画が原作。

始まる前は「原作は毎週読んでるしとても面白いんだけどアニメ向きじゃない気がするんだよな…大丈夫かな…」といった感じだったのに、始まった後は「漫画そのままがアニメになった感覚!超面白え!」と見事に手のひらを返してしまった。平本アキラの絶妙な『濃さ』をしっかり描いていたし、下ネタやスケベなシーンも一切抑えることなく、緻密に作り上げられたアニメだった。

よく考えてみると、水島努監督は、今だからこそ代表作に「SHIROBAKO」がまず真っ先に挙げられる監督だけど、「ケメコデラックス!」や「よんでますよ、アザゼルさん。」の監督も手掛けているし、監獄学園は水島ギャグのお手本のような作品だったのかも…

あとは花ちゃんが花澤香菜さんで良かったなあ。本当に花澤香菜さんの花ちゃんの怪演が凄まじく素晴らしかった。

余談だけど、花澤香菜さんは制作サイドの指名で花ちゃん役に抜擢されたそうで、原作はそのとき初めて読んだらしいです。でも『メデューサ』のくだりまでは意図的に手渡されなかったそうです。こやつめハハハ。

食戟のソーマ - ★★★★★

原作は週刊少年ジャンプ連載中の原作:附田祐斗・作画:tos…佐伯俊・監修:森崎友紀による料理漫画。

昨今のジャンプ作品のアニメ化はほとんどがウーン…となっても仕方がないものが多かったので少し警戒(話題性のある裏番組と被ってやしないか、夕方もしくは早朝アニメなんじゃないか、人気先行でキャラに合っていない声優さんを起用していないか・など)していたのだけど一切の不安を吹き飛ばす完全・完璧なアニメになっていたと思う。

メインの料理はとてもキレイかつ美味しそうに出来ていて、リアルタイム視聴(関東では2時半くらい)しているととにかく腹が減る描写。ソーマといえば「ミスター味っ子」の系譜よろしく、料理を食べたときの派手なリアクションが特色なのでどうしてもそこに力を入れがちになるのかな・と思っていたので、作業工程や料理がしっかり描かれていたのは本当に良かったと思う。

キャラクターもtos…佐伯先生のデザインと声優さんの演技によって影の薄いキャラは魅力的に、人気の高いキャラはさらに精彩が際立つ・という素晴らしさ。アリスなんかは特に…アニメのアリスめちゃくちゃかわいかったなあ…

そして特筆すべきが、オリジナル演出やエンドカードの完成度。作品の空気を壊さず・原作を知らない人には自然なことの運び・原作ファンなら思わずニヤッとしてしまう内容で、とても満足度が高かった。

ソーマに出てくる料理の薀蓄は家庭料理でもいくらでも応用のきくものなので、原作を未読の人にもアニメはおすすめ。ただ、秋の選抜が予選までの結果つかずで終わってしまったので今後の展開が楽しみです。絶対に2期やってほしい。

デュラララ!!×2 転 - ★★★☆☆

 デュラララ!!第3期。今回は「転」の通り、話が急に動いた印象。というか、今まで偶発的に起きていた池袋の事件がひとつの束に収束し出したというのが正しいか…帝人がどんどん狂っていく様子はもちろんなのだけど、親友を止めたいと黄巾賊を再結成させる正臣も正気を保っているように見せながら徐々に狂い始めているような感覚を覚えた。個人的には前シリーズの「承」より少し間延びしてしまった感触はあったが、とにかく次シリーズで終了になるようなので最後まで見届けたい。

・Charlotte - ★★★☆☆

個人的に麻枝准の作品がまったく肌にあわなくて、「CLANNAD」も「リトルバスターズ!」も途中でギブアップ。「Angel Beats!」に至っては見ていないという感じだったので、正直Charlotteはどうなんだろうと見てみたところ…面白い!

俺が麻枝准作品をニガテとしている一番の要因に「ダダ滑りのおたくギャグ」というのがあったのだけど、それが今作は見事になりを潜めていたのが良かった…と、ここまでは6話までの感想。

7話以降はちょっとずつ、ゆるやかに、下降線を辿ってしまったかなあ…妹の死も「また麻枝は人を殺して!」なんてことは思わず、かなりワクワクしたのだけど…特殊能力の詳細やZHIENDのあたりは期待だけさせておいて結局なにもなかったのが本当に残念だった。

とはいえ、ヒロインの友利奈緒はとても良い女だと思うし、話も「異能を手にした少年少女が取り巻く世界に抗うSFジュブナイル」という面では微妙だったけど、「どうしようもない主人公がヒロインと出会って変わっていくボーイ・ミーツ・ガール」と考えると良い作品だったと思う。

ガッチャマンクラウズ インサイト - ★★★★★

前作がキレイな終わり方をしていたので「これ以上何をやるんだ」という疑問が過ぎりつつも、前作はめちゃくちゃ面白かったので期待して見たところ、今作もめちゃくちゃ面白かった。

ソーシャルネットワーク社会」を描いた前作から変わって、今作のテーマは「衆愚政治と集団意識」。「交響詩篇エウレカセブン」第37話「レイズ・ユア・ハンド」において、デューイの演説に同調する大衆を見たアネモネが『考えてるようで考えてない顔ばっか…気持ち悪い!』と吐き捨てるシーンがあるのだけど、そういった「客観視した思考停止」を起点に描いたのが今作のように思える。

視聴者の視点だと極めて客観的に作品を見られるので、「どうして大衆はこう馬鹿なのだろうか」なんて考えながら見ていた部分もあるのだけど…はて、現実となると我々も『一般大衆』であるわけなので「ガッチャマンクラウズ インサイト」という作品に見事に踊らされているような気持ちがあった。それに最終回の結論が「うつけの目を覚まさせるには『現実』を俯瞰させるしかない」というのも、視聴者の感情を翻弄しているようだったな…近未来SFというジャンルも、妙に現実味に溢れていて視聴者をハッとさせる仕掛けになっていたと思う。そういう意味で少し説教臭い啓蒙アニメだったのかしら。

とはいえ、ガッチャマンクラウズシリーズは前作ももちろん、今作も近未来SFとして本当に『そう遠くない未来』を描いているので、ワクワクするギミックも豊富でとても面白かった。…あと…はじめちゃんのおっぱいが、すごく、大きかった…です。

仮面ライダードライブ - ★★★★☆

もうもはやバイクにも乗らない、車に乗る仮面ライダー…!?ということで話題だった平成ライダー16作目。

前々作のウィザード、前作の鎧武が立て続けに微妙な作品だったので少し不安もあったのだけど今作はものすごく面白かったです。当初からコメディ面をほぼ排除していたウィザード、終局に向かうにつれてコメディが減っていった鎧武に比べて、最後までコメディパートを絶やすことがなかったのが良かったのかもしれない。実際、主演が今や有名俳優になっている電王(佐藤健)やフォーゼ(福士蒼汰)なんかは最後まで笑える部分が多かった印象…

脇を固めるベテラン俳優陣も豪華で、特状課チームに吉井怜・浜野謙太・片岡鶴太郎といった面子も良かった。ライダーと怪人が立場を超えていがみ合ったり共闘したり、というのは555に似てたかな。今作の怪人のロイミュードは機械生命体ということで、人工的で無感情というパブリックイメージでありながら、実際はチェイスや敵幹部なんかはとても個性的で愛着のもてる怪人だった。特に、西城究とロイミュード072のエピソードは、登場人物も視聴者も「ロイミュードは真に絶対悪であるか」ということを考える貴重な回だったと思う。

フリーズから仁良のくだりは若干の中だるみがあったものの、チェイスやブレン、メディック、ハートの幹部ロイミュードの散り様も素晴らしく感動的で、実にドラマらしいドラマだったなあ。

次回作の仮面ライダーゴーストは怪人デザインに島本和彦、主人公を導く謎の老人に竹中直人というキャスティングなのでとても楽しみです。

アルスラーン戦記 - ★★★☆☆

銀河英雄伝説」や「薬師寺涼子の怪奇事件簿」の田中芳樹原作の超長編大河小説を、「鋼の錬金術師」や「銀の匙 -silver spoon-」の荒川弘がコミカライズ。そのアニメ化。

奪われた王都を奪還する主人公のアルスラーンを通して「王たる資質」とは・というのを見せられた戦記だった。アルスラーン戦記無双が早々に発表されたこともあって、おそらくコーエーテクモのCGチームが手掛けた大合戦シーンは、3DCGではあるものの、さすがの大迫力だった。

しかし、ダリューンを始めとするメインキャラクターがやはり戦力的に強大すぎて雑兵の合戦シーン以外の戦場シーンは少々退屈だったかな…アルスラーン自身は庶民的で、戦力としても凡百なので余計に際立ってしまった部分も…

今期は結構微妙なところで終わってしまったので、すでに発表されている2期が楽しみ。

GANGSTA. - ★★★☆☆

制作がマングローブ、劇伴にSHAKKAZONBIEのDJ TSUTCHIEというだけで「うわあ!サムライチャンプルー!!…でもバンチって蒼天の拳しか読んだことないな…」と期待半分、不安半分で見たのだけど、どこか陰鬱としていて彩度の低い画面がとても『ギャングモノ』らしくて面白いアニメだった。

しかし、この作品を最後にマングローブが倒産してしまったので続編は絶望的かなあ…ラストが引っ張りに引っ張ったラストだったので続きが見たい。

干物妹!うまるちゃん - ★★★★★

過去記事参照の通り、イベント苦手の自分がインストアイベントに行くほどに良かった。まさに「ありがとう動画工房」。

原作は週刊ヤングジャンプで始まったときから読んでいて、連載開始当初は「これかわいいけどすぐ終わりそうだなあ」と思っていたくらいなのに、いざアニメ化が発表されると、祝アニメ化!制作は動画工房!監督は日常系の巨匠・太田雅彦!と。奇跡の三重奏といった感じでまるで我が事のように嬉しかった。

内容も原作ファンの想像を凌駕する出来に加えて、うまるちゃんを始めとした妹たちの魅力を最大以上に引き出していて実に感無量。

是非とも2期、3期と続けてほしいアニメでした。12月のイベントも楽しみです。

純情ロマンチカ3 - ★★★☆☆

中村春菊原作のBL小説アニメ3期。2期はたしか7年前で、私が「BLアニメって面白い!」と思ったキッカケだったし、「LOVE STAGE!!」がとても面白かったので期待していたのだけど…

ご時世もあるのか、ちょっと期待ハズレなところは否めなかった。もちろんBLだからこそベッドシーンを多く!というわけではないのだけど、やはり『男性愛』を描いているのだからキスシーンばかりというのもどうも味気ないな・と思ってしまったり。

あと、うさぎさんに翻弄される美咲がちょっとかわいすぎたなあ・と。普通に美咲が女の子でも遜色ないラブストーリーで、そこは男性同士だからこそ、NLとは違った恋愛描写が見たかった。あと1話完結のサイドストーリーがちょっと多くて、メインのうさぎさんと美咲の話に少々感情移入がしづらい面もあったかな…

下ネタという概念が存在しない退屈な世界 - ★★★★★

今期のダークホースその3。

当初は、下劣でセンセーショナルなだけの下ネタラノベ作品としか考えていなかったのだけど、意外にも世界観や登場人物の理念やらがしっかりと構築されていて、それでいて社会風刺な部分もあったので、毎回くだらないなあ!と思いつつも時に考えさせられる作品だった。

特にヒロイン(?)の一人、アンナ・錦ノ宮のキャラクター設定なんかは、誇張も含めて、この物語で作者が伝えたいことそのもののように思えて、「臭いものに蓋をし続けていると、いざ臭いものに魅せられてしまったときに一切の歯止めがきかなくなる」というようなことを考えてしまった。

主題の「下ネタ」に関してもとことん突き詰めていて、性的な隠語やハンドサインの応酬はもちろん、鼓修理の髪型がまんま男性器の亀頭を模していたり、鼓修理の気分に応じて萎んだり…というのが芸が細かかった。

最終話のエンドカード田中圭一だったのにはめちゃくちゃ笑いました。なんだかBD/DVDがすごいことになっているそうなので、そういう意味でも今後が楽しみ。

 

秋は「ハイキュー!!セカンドシーズン」と「おそ松さん」が楽しみです…と思ってたのだけどTOKYO MXが全く映らなくなってしまった。どうしよう。

 

以上。