2015.08.12

劇場版NARUTO "THE LAST NARUTO THE MOOVIE"を見たので感想。

 

平たく言うとナルトとヒナタが結婚するまでの話…というか花嫁奪還作戦?NARUTOの恋愛描写といえば、サスケに対するサクラの一途一辺倒な想いとシカマルとテマリのサスケ奪還編から始まるカカア天下、アスマと紅くらいしかなかったので、NARUTOとして見るラブストーリーは新鮮。今作は忍界での事件はエッセンスに過ぎず、メインのナルトとヒナタの馴れ初めから始まる恋愛描写は全部が甘酸っぱくて最高。アカデミーの頃からずっと好きだったサクラから、妻に選ぶヒナタに変わるナルトの想いの変遷も、道中かかる幻術とサクラの台詞でまったく無理なく描かれていたのが小気味よかった。

 

数々の伝説的な作画を生み出したNARUTOチームなので作画は一級品。ナルトと花嫁姿のヒナタが転生眼をぶち壊すシーンはケーキ入刀のメタファーかな。ここだけ作画がめちゃくちゃすごかった。最後のナルトvsトネリのシーンは"ノエイン"第12話のカラスvsフクロウを彷彿とさせて最高に漲るシーン。中村破片が特徴的…というか中村破片が使われていたのはここだけだった。誰の原画だったんだろう…かなり松本憲生氏っぽかったんだけどクレジットはなかった。月をバックにキスする男女っていうのは"交響詩篇エウレカセブン"第50話的でとてもいい。

 

ファンサービス的な演出も良くて、成長した木ノ葉丸がアスマそっくりだったりとか、中忍試験ぶりにサクラの「幻術に強い」設定が出てきたのは思わずニヤリ。ビーの「俺にナルトは殺せない」も良かった。あとエンディングのカットのネジの遺影は正直涙モノ…

 

視聴者の視点と登場人物(主にヒナタとナルト)の視点が交錯する演出は少し"イノセンス"的で若干のくどさを感じたのと、地球vs月の戦いが始まると少し大味になってしまったかな・というのが難点だった。もっとも話の中核が「ナルトとヒナタの話」なので仕方ないとは言えるけど。ヒナタのCVが水樹奈々さんだったのは何か必然だったように感じた。

 

現在公開中の"BORUTO NARUTO THE MOOVIE"では、今まで本誌にしか載っていなかったフルカラー版最終話が手に入るそうなので劇場まで見に行きたい。

 

以上。