2015.08.19

早速、劇場版NARUTO "BORUTO NARUTO THE MOOVIE"を見てきたので感想。

 

結論から言うとすごく面白かった。

家族のいなかったナルトが家庭を持つも、父親としての在り方がわからずに火影の立場と父親の立場に板挟みにされて息子とすれ違う。それに手を差し伸べるのは過去に家族を亡くしたサスケであり、サスケは「師匠」という立場から親友とその息子の関係を見守る・という構図は原作を読んでこそだなあといったところはあるけど、それでも非の打ち所のないストーリーだったと思う。ていうかサスケ優しくなりすぎだろ。あの頃の尖ってたサスケはどこにいった。しかしまあ、ただただ単純に痛快な劇場アニメ作品だった。NARUTOファンでなくとも「全部読んだ」という人には是非見てほしい。

 

以下ネタバレ。

 

 

テーマを限定的に絞れば、父と息子の「男親子の話」なんだろうけど個人的にはうずまき一家の「家族愛の話」だったように感じた。そういう意味で父息子の話以外の部分で良いなと思った演出を挙げると、ボルトが意外にも妹想いで、妹ヒマワリの誕生日を目先に捉えていたり(もちろん本心は「父親に自分を見てほしい」だけど)、ボルトがシカダイ戦のときに使う体術が柔拳だったのに母親の面影が見え隠れしていたり…という部分に「家族」を感じた。

妻としての、母としてのヒナタもすごく良くて、ナルトが連れ去られたあとにヒナタが倒れていた理由が「ナルトを取り返すためにモモシキに立ち向かっていったから」だったのには下忍の頃のヒナタからは考えられない行動力と夫婦愛を感じたりとか、サスケ・五影とともに敵地に向かう息子を心配して追ってきたヒナタの目が、下忍時代のナルトのジャージを羽織ったボルトを見た途端に送り出す母親の目になったときはグッときた。

 

作画は"THE LAST"以上にすごい。冒頭のサスケvsキンシキのあたりですごいなあと思っていたのに、中盤ナルトがモモシキ・キンシキに連れ去られるまでの尾獣結界のシーンや、特に最後のナルト&サスケvsモモシキのところは「まだ続くの!?」と思ったくらいに濃厚な戦闘作画。圧巻。

 

原作は完全に完結しているわけでこの作品自体が全編通してファンサービスのような感じなのだけど、それでも「おお」と思ってしまうシーンが多かった。最後の九喇嘛と須佐能乎が融合するところなんかは、やはりナルトとサスケの関係を徹頭徹尾追ってきた身としてはなかなか心にくるものがあった。

 

余談だけど、ボルトに妙な入れ知恵をして中忍試験を自分の科学忍術のパフォーマンス会場にしてしまおうと目論む小悪党にカタスケとコウスケというキャラがいるんだけど、どうもこのカタスケとコウスケのモデルが町山智浩宇多丸らしい。この辺は入場者特典として劇場でもらえる小冊子"秘伝・在の書"に載っているので興味があったら是非…というか本当に面白かったから劇場で見てほしいよ!!

 

以上。