2014.11.14

NARUTO -ナルト- 最終回の話。

今週号のジャンプで15年間の連載が終了したので、とりあえず感想。

 

最終回までの残り4話は、引っ込みつかなくなったサスケが自己満足的に最後にナルトと大喧嘩…といったラストではあったが、それこそ第1部のナルトvsサスケのセルフオマージュで出来ていたと思う。それこそ度々の回想に出てきた、アカデミー時代にお互いの境遇に共感を持っていたことや、第七班で任務をこなすにつれてサスケ(エリート)がナルト(おちこぼれ)をライバル視していったことを読者が思い起こすような構成でとても良かった。698話のお互い片腕を失ったけども流血が交差しているラストカットや、それに続いて699話の冒頭で二人が倒れこんだ場所にちょうど、柱間とマダラの石像の指が忍の印を結んでいるところは特に。最後にサスケがサクラの額を小突いて「またな」と言うシーンも、イタチの遺志を受け継いだ、つまり木の葉の意志を受け継いだという意味合いを感じた。

そして最終700話。エピローグ。実を言うと私は「ナルトは火影になれなかったけども忍界の英雄になった」というオチを期待していたのだけども、なんともすんなり火影になってしまったなあという印象。7代目はサクラがいいなとも思ってた。しかし少年漫画だしこれは少しひねた願望だったのかも。ナルトがヒナタとくっついたのは正直意外だった。サスケとサクラがくっついたのはもっと意外。ここのあたりは劇場版THE LASTで描かれるのだろうなあ。劇場版がとても楽しみになってきた。

あと余談だけど、この号のONE PIECEの扉絵が尾田先生と岸本先生の友情を感じさせてgood…と思っていたらNARUTOにも麦わら海賊団のマークが描かれていてさらにgoodでした。

 

作品全体としては、とにもかくにもTHE少年漫画。忍者漫画というのはそれこそ白土三平の「カムイ伝」や横山光輝の「仮面の忍者赤影」があるけども、平成においては忍者というジャンルにスポットを当てた漫画は少なく、特に能力バトルのフォーマットを忍術に当てたのは灯台下暗しに近い発想だったと思う。それに加えて、岸本先生自身が建築学を学んでいたことや、大友克洋漫画の大ファンであることが影響にあるスチームパンクな建築物も、現代少年漫画とネタこそ古風な忍者という世界観に絶妙にマッチしていた。第2部で少しご都合主義的(端的に言えば、死んだ人間があっさり生き返ってしまう)なところが目立ったけども、なんだかんだで良い漫画だったと思う。あとアニメに恵まれていたなあ。動く回は本当によく動く…アニメが動きすぎた(主に松本憲生原画の回)ために岸本先生が画力アップに力を尽くした話は有名。デッサンに注視しすぎてサスケ奪還編は漫画に動きが少なくなってしまっているのはご愛嬌…

個人的には第1部の中忍試験編が一番面白い。特にナルトvs我愛羅の尾獣戦闘はダイナミックで手に汗握るので、ここは本当にオススメです。

 

以上。